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付録７　理系大学生のための文献検索（３）


ここではJAXAリポジトリ、Google patents及びGoogle scholarについて述べます。

JAXAリポジトリ

JAXAの文献データベース にはJAXAリポジトリとAIREXとがありますが、ここでは JAXAリポジトリ の使い方について簡単に説明します。

JAXAリポジトリは、その冒頭の説明によると、宇宙航空研究開発機構（JAXA）が刊行する文献や学術雑誌論文、学位論文等を公開するシステムです。

JAXAは長期に亘って継続的にスクラムジェットエンジンの研究開発を進めてこられています。
したがって、JAXAの研究者の名前で知っておられる方があれば、その名前を検索窓に入力するだけでその方が関与された研究成果の流れを把握することができます。
ここで注意すべきことは、姓と名の間にスペースを置くことです。
例えば富岡定毅さんの研究成果を調べたい場合には「富岡　定毅」と入力すれば39件ヒットします。色々な場で発表されていることがわかります。
「発行年月」を「降順」にして「並び替え」をしてやりますと、最新の文献がトップに現れます。
JAXAリポジトリで全文、概要等にアクセスできない場合であっても後述のGoogle scholarにリンクが張られていますので、そちらを利用して文献を探すこともできます。

またJAXAの文献番号のみならずNAL時代の文献番号であってもそれらの文献番号からその全文にアクセスすることも可能です。
例えば検索窓に「NAL TM 768」または単に「TM 768」と入力し、「検索」ボタンをクリックすると「1. 数値宇宙エンジンの導入 Introduction of numerical space engines」と１件ヒットしますが、さらにそれをクリックすると「本文を読む/探す」枠に総ページ数48ページのPDFファイルへのリンクが現れ、全文にアクセスすることができます。

その他時間にゆとりがあるときには、検索により絞り込むのではなく、一つ一つ丹念に JAXA出版物リスト の各年度の出版物のタイトルを眺めていくと良い掘り出し物にめぐり合うかもしれません。

次はGoogle patentsの使い方です。

特許明細書は権利書としての役割と技術文献としての役割を持っているとよく言われますが、ここで注目するのはその技術文献としての面です。したがって、技術文献としての面だけに注目すれば、本ホームページの「関連リンク」のページに示した知的財産関係のサイトよりも以下に述べるGoogle patentsの方が、
・検索に要するステップ数が少なくて済み、かつ全文にアクセス可能である。
・データベースに偏りがあるが、スクラムジェットエンジンの分野に限定すればその偏りも無視できる程度である。
点で魅力的だと思われます。

Google patents Advanced Patent Search を開きます。
一例として「scramjet」を調べてみましょう。
もっとも手軽に、「with all of the words」の欄に「scramjet」と入力し、「Google Search」ボタンをクリックします。
米国では約1510件も出願されていることがわかります。しかもその全部について、ワンクリックで全文を見ることができます。
ここでロケットダイン社が出願人となっているものに絞り込むために「Original Assignee」の欄に「rocketdyne」を追加してみましょう。
今度は２件に絞り込むことができました。しかも全文をPDFで見ることができます。

勿論このほかにもいろいろな絞込みが可能です。
また、テーマについても「scramjet」以外にも国際特許分類を利用する等本格的な検索も可能です。

次はGoogle scholarの使い方です。

Google scholar は膨大な検索対象から探してくれるため、ややもするとヒット数が多すぎて、というきらいがありますが、他では見つからないものでもここで探せるということが少なからずあります。前述のJAXAリポジトリでもGoogle scholarにリンクが張られています。

そこで、できるだけノイズを少なく抑えるため、
Scholar 検索オプション を用いるほうが良いでしょう。

検索例として一例を挙げると、「縦渦」というキーワードを入力するだけであれば、「約662件ヒット」という結果が得られますが、例えば 「日本航空宇宙学会」の出版物かつ「少なくとも要約部分」に絞り込むと33件に絞り込むことができます。

(MM20120302)